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治験翻訳演習担当講師
東京医科歯科大学非常勤講師
アルパ・リエゾン株式会社代表

有馬貫志





《第34回》 翻訳業界の思いは同じ?
暑いですね。でもどんなに暑くても暦は立秋を過ぎています。この暑さはあくまでも名残りの熱。地球温暖化で昔の暦が生活実感としてまったく意味を成さなくなるまでは、まだ少し時間がありそうです。そう思ってこの暑さを乗りきりましょう。

前回お話しましたように、先日、日本翻訳連盟(http://www.jtf.jp/)の「翻訳環境研究会」での講演がありましたので、その様子をお伝えします。私事で恐縮ですが、会場となった青山の翻訳会館は、その昔始めて翻訳の世界に足を踏み入れたときに通った場所で、その場で講演をさせていただくのは感慨深いものがありました。もっとも、当時通っていたのは治験翻訳ではなくて「英国文芸」のクラスでした。分野はまったく違いますが、そこで三村先生というすばらしい翻訳家にお会いできたことが、翻訳の世界に身を投じる大きなきっかけとなりました。

さて講演ですが、「治験翻訳者の明るい未来を模索する」などという、ちょっとジャーナリスティックなテーマにしたためか、満員のご出席をいただき、多くの翻訳業界関係者の方々と直接お話しすることができました。定員40名のうち、個人での参加が15名に対し翻訳会社に所属される方が約25名と過半数を超えており、まさに業界という抽象的な存在の実体を目の前にお話できる大変貴重な機会となりました。翻訳業界の現在に危惧されている方が実に多くいらっしゃるのだな、というのが何よりの印象です。

その後の懇親会でのお話やアンケートを拝見しますと、参加者の皆様の興味は新しい翻訳のビジネスモデル、翻訳理論の確立、翻訳技術の体系化などにあったようです。また、治験翻訳者はメディカルコミュニケーションのスペシャリストであるべきだという考えも会場のご賛同をいただきました。また大変感銘を受けたのは、今後各翻訳会社が共同で技術研鑽を積み、翻訳の品質向上に努めなければいけないというご意見を多くいただいたことです。これまでのように「競合他社」という枠組みでしか互いを見ていなかった各社が何らかの形で協力をしてゆければ、何かが変わるかもしれませんね。

【ご案内】イカロス・アカデミー/治験翻訳講座 無料公開セミナー & 説明会
◇日時:9月1日(土)10:00〜12:30
◇場所:イカロス・アカデミー4F教室
◇内容:(1)講義と演習の概要説明 (2)提携会社による業界情報
講座の内容を実感できる機会です。詳しくは→ http://www.chiken-honyaku.com

つーほんメール【第121号】2007年8月23日発行より転載