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治験翻訳演習担当講師
東京医科歯科大学非常勤講師
アルパ・リエゾン株式会社代表

有馬貫志





《第3回》 治験翻訳の魅力について(2)
雛祭りも過ぎて、もう春がそこここに感じられるようになりましたね。新しい季節の始まりに向かって、心の準備は整いましたでしょうか?さて、前回は治験翻訳講座の魅力について、高度に専門的な知識が求められるものの、対象が明確で意外と取り組み安いというお話をしました。今回は治験翻訳の魅力のうち、やりがいや手ごたえという面についてお話しましょう。

仕事を選ぶ基準は人それぞれですが、翻訳家を志望するという行為には、「自分の技術で生きていく」という覚悟のようなものが基盤として存在します。フリーランスであれば、会社や組織からの独立ですし、社内翻訳者でも個人の技術が浮き彫りになる立場にあるからです。成功すれば精神的にも経済的にも自立でき、自分の努力が自分自身へフィードバックされることがダイレクトに分かります。そうした満足感はどの分野の翻訳でも同じですね。

一方、自分の努力が他者や社会にフィードバックされることへの充足感は、翻訳の分野によって様々です。治験翻訳の場合、究極の満足感は、自分が関わった新薬が患者さんの病気の治療に役立ち、さらには救命に役立ったと知ることでしょう。従来、新薬開発には長い年月が必要でしたが、新しい医療技術によってその年数はどんどん短くなっています。また、治験翻訳は新薬開発の最終相で関わることも多いため、意外にその結果を早く知ることができるのです。

インターネット上には患者さんや、その関係者の方による闘病記が数多く載せられています。一度検索してご覧になってみてください。特に治療が難しい病気と闘ってらっしゃる患者さんの場合、新薬がいかに待ち望まれているか、また、新薬が提供されることでその闘病の重圧がいかに軽減されるかが、きっとよく分かることと思います。自分の努力がメディカルの分野にフィードバックされ、患者さんの助けとなる。「それこそ、私のするべき仕事だ!」って思ったあなた、治験翻訳講座でお会いしましょう。

つーほんメール【第86号】2006年3月6日発行より転載