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この連載は、メールマガジン「つーほんメール」のバックナンバーです。
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治験翻訳演習担当講師
東京医科歯科大学非常勤講師
アルパ・リエゾン株式会社代表

有馬貫志





《第22回》 治験翻訳講座が無事終わりました!
2005年の夏に始まった治験翻訳講座ですが、先週末で2006年度の全コースが終わり、今回の卒業生で3期生となりました。来年度春学期の開講は4月からです。3月17日には無料の説明会を開催いたしますので、ご興味のある方はぜひお申し込みください。無料説明会では、講義、演習の実際の様子と、卒業生や提携各社からの生の声をお届けする予定です。

前回も書きましたが、40時間の長期集中コースも終わってみれば「まだぜんぜん足りない」というのが、受講生の方のいつのも感想です。講座で実際に治験文書の一部を翻訳するのですが、一般に治験関連の文書は量が多く、当然40時間でその全てをカバーすることはできません。従って講座の目的も、限定された講座期間の中で、受講生全員を完成された翻訳者として送り出すことではありません。もちろん、それまでの経験次第では実際に講座終了時に即戦力の翻訳者としての準備ができている方もいますが、たとえゼロから始めた受講生であっても、講座終了後に少なくとも「一人立ちできる能力」を養成することにあると考えています。

では、40時間という決して長くはない時間の中で、どのようにすればそんなことが可能なのでしょうか?その秘密は「基礎的な知識」ではなく、「根本的な考え方」を習得するところにあります。有限の情報から無限の表現を創出するという意味で、翻訳もまた非常に創造的な作業なのです。従って、ちょうどフレーズブックを何冊覚えても、外国語を真に自由に操ることはできないように、治験翻訳固有の基本的訳語を単に覚えるだけでは、実践で「使える」翻訳者は育ちません。

根本的な考え方を養成するという当講座のアプローチは、産婆術と呼ばれたソクラテスの問答法に近いものです。受講生一人一人との会話の中から、その個人特有の問題点を浮き彫りにし、受講生が自分でその対策を立てることができるようにするのです。治験翻訳講座が受講生一人一人への個別指導に重点をおいているのはそのためです。

つーほんメール【第109号】2007年2月20日発行より転載