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この連載は、メールマガジン「つーほんメール」のバックナンバーです。
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治験翻訳演習担当講師
東京医科歯科大学非常勤講師
アルパ・リエゾン株式会社代表

有馬貫志





《第12回》 医療従事者と翻訳者
 治験翻訳講座は基礎クラス・実践クラスともそれぞれ最後の授業を無事終了しました。幸い両クラスとも最後まで熱心な受講生の方の参加をいただき、今回も教える側がより多くを教わった気がしています。秋学期の参加申し込みにはまだ時間がありますので、ご興味をお持ちの方は、治験翻訳講座事務局まで、お早めに資料をご請求ください。

 さて、基礎クラスの授業で Health Care Professionals という表現の訳し方について質問をいただきました。Health Care は厚生労働省の指針などでも、カタカナ表記でそのまま使われることが多い表現ですね。日本語では医療全般を示す言葉と考えられます。一方Professionalsですが、こちらもカタカナでプロフェッショナルまたはプロと書くと、日本語としてすでに意味が定着しています。専門職に従事する人、専門家、あるいは職人といったイメージでしょうか。

 治験ではアドバイザー的存在である Medical Expert を指す言葉として医学専門家という表現が使われていますから、Health Care Professionals を医療専門家と訳すと紛らわしくなってしまいます。また、Professional にはある特定の専門職に従事するという意味とは別に、より広く well educated, highlyqualified といった意味もあります。実際、イギリスにいたころは、新聞などにある交際相手を探す掲示板の自己紹介欄に、単に「Professional」と書いている例なんかもよく見ました。これって、自分はブルーカラーじゃありませんよ、という意味なんですね。

 さて、そのように考えてくると、Health Care Professionals というのは「医療従事者」くらいが一番その内容を表しているように思います。医療従事者というと、では病院で掃除をしている人はどうなんだろう?という疑問も出ます。彼らもちゃんと白衣を着てますからね。更に病院の事務の人は? 更に更に、治験翻訳家はどうでしょう? 僕は日本語の「医療従事者」の範囲にはこれらすべての人々が当てはまると思います。本日発売の通翻ジャーナルの連載では、「治験翻訳者も医療従事者である」という考えの下に、ヘルシンキ宣言について解説しています。ぜひご一読ください。

つーほんメール【第97号】2006年8月22日発行より転載