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治験翻訳演習担当講師
東京医科歯科大学非常勤講師
アルパ・リエゾン株式会社代表

有馬貫志





《第10回》 スタイルの問題
誰かから、You’ve got style! といわれるのは嬉しいですよね。そんなときはWell, you know, we all have one, anyway. なんてさらりとかわせたら、ちょっといい気分。

問題なのは、スタイルがぜんぜん統一されていないとき。もちろん、翻訳者のファッションセンスや翻訳会社のオフィスのインテリアのことではなくて、治験翻訳の話です。

翻訳のスタイルと書くと、文体のイメージを持つ方もいらっしゃるでしょうか?そうではなくて、今回お話したいのは、表記の方法や書式に関することです。一昔前は、翻訳者が仕事を納品する場合、いわゆる「ベタうち」といって、一切書式の入っていない原稿を出していたようです。今でも例えば、フォントの「上付き下付き」は一切しません、という方もいらっしゃいます。でも、時代は変わりました。個人のコンピュータスキルも上がってきた現在、ある程度の書式に関する知識は必要でしょう。

スタイルの問題は、英語の表記で顕著になります。例えば、「50mL」の場合は、数値と単位の間に半角のスペースが必要ですから、「50 mL」とすべきですが、「%」の場合は例外で、「50%」のようにスペースを入れずに書きます。このような細かな規則は米国と英国や欧州など、国別でも異なりますし、また投稿しようとする雑誌や、クライアントによっても違います。

でも、基本的なことはほぼ同じですから、一度注意を向けてみるといいでしょう。基本的なテキストとしては、シカゴ大学のTHE CHICAGO MANUAL OF STYLEやAmerican Medical AssociationのMANUAL OF STYLEなどが便利です。

つーほんメール【第94号】2006年7月5日発行より転載